現在、日本文化の象徴である盆栽もそのルーツは漢字や思想と共に中国でした。
中国の盆景から生まれた盆栽
中国の盆栽、つまり盆景は唐の時代に始まったとされます。山水を二次元化したものが山水画、三次元かしたものが庭園。盆の中で楽しんだものが盆景とされています。 それがどのように日本に入ってきたかというと、盆景の盛んな江南地方の貿易商人たちが、平安時代末期に日本に移住してきたときに持ち込まれて物とされます。 ただ、それまでにも万葉集の中や平安時代の絵巻物に鉢植え的なものが描かれているので、以前から樹を鉢に植えるという行為は行われていましたが、盆景が中国から入ってきたことにより、鉢植えに景色が生まれ盆栽が生まれました。 その当時は、容器は鉢植えのほかに大型の木製の台が使われていたことが多かったようです。
禅僧の嗜みとして
鎌倉時代になると主に盆栽は禅僧の間では流行りました。 当時の社会では文化的に強い主動力を持った人たちですから、盆栽は全的な宗教観の中で育まれていくことになります。 またそれとは別に純粋に盆栽をめでる人たちも増えてきたといえます。
盆栽が華やいだ時代
そして時代は江戸に移り、盆栽はますます盛んになりました。というのも江戸では商人の力が大きくなり、生活に余裕が生まれ、大園芸ブームが起こったとされています。高額な鉢植えや植木鉢、珍種などが収集されました。 幕末にヨーロッパ人がプラントハンチングのために日本に来たときはあまりに多くの種類の植物があり驚いたと記録に残っています。 さらに江戸時代は仏教に変わって儒教の影響が強くなってきたころとも言われています。 いわゆる中国の書画骨董を愛する趣味人、文人と呼ばれる人々が出てきます。頼山陽や池大雅などが文化的な主導権を握っており、彼らによって盆栽が風雅なものとして扱われ、それまでよりもいっそう芸術として鑑賞されるものになりました。
庶民にも定着した時代
明治時代になると盆栽が高値で売買され一種のお金持ちのステータスシンボルになりました。戦後になり、ようやく庶民の間に盆栽が定着しだします。 景気がよくなり一大園芸ブームが起こり、各地で手軽に盆栽が買える市などが立ちました。 この頃に現在の盆栽が確立されました。
盆栽の今
それからは、技術の向上にともない数々の名品が生まれました。 中国でうまれ、日本で開花したこの素晴らしい盆栽という芸術をどのように伝えていくか、考えていかなければならないでしょう。
NHK『美の壷』でも盆栽の歴史を解説
「くらしの中の美」をテーマにしたNHK番組『美の壷』でも盆栽のルーツを紐解いています。 現在でも放送された内容をバックナンバーで見ることができます、是非こちらも覗いて見て下さい... NHK『美の壷』のバックナンバーを見る